■僭越の記録■
アキラさんの映画について、気ままに語らせていただきます。
■大草原の渡り鳥■
05/30
大変思い出深い作品です。最初に観たのはどこでだったか。
塾をサボって行ったのを覚えているので、
おそらくは小学校高学年の頃でしょう。
もちろんすでにリバイバル上映です。
雨の日で、映画館はガラガラ。しかも客はみんな寝ていました。
映画がはじまり、やがて舞台は釧路に変わって
白木さんのピンチをジョーさんが助けます。逃げる白木さんを
野郎どもが追いかけていく、そう、まさにそのときでした。
「待ってました!」。
私の斜め前で観ていた人が、絶妙なタイミングで
掛け声をかけたのです。背広姿の男性でした。
もちろんそのときスクリーンにアキラさんが…。
なぜだか私は胸がいっぱいになりました。
「ソーラン節」に泣けて泣けて。
歌舞伎や新派で掛け声には慣れっこでしたが映画館で聞いたのは、
そのときがはじめてでした。
その人の声があまりに楽し気で、本当に「待っていた」
という気持ちにあふれていて、寒々しい館内は
不思議な雰囲気につつまれました。
幼い頃から私がアキラさんの映画を観るときは、
いつも薄汚れた客の少ない映画館でした。そんなものだと
思っていましたし、別に不満にも思っていませんでした。
けれどその時は、なぜか痛切に、この作品を
まさに「待って」いた人たちであふれかえっている映画館、
そしてその頃の時代そのものに激しくあこがれて、
猛烈に哀しくなりました。もう時間はもどらないのだなあ。
なぜかそんな風に思って、たまらなく切なかった。
それ以来、いわゆる「黄金期」の映画館への憧れはつのるばかり
なのですが、こればっかりはどうしようもありません。
それはそれとして。この作品は本当に楽しいです。
アキラさんはまさに完璧で、もう演じてるというより
別の人生として滝伸次を生きている感じさえします。
コインのしかけがわかるジョーさんとのシーンも好き。
なぜそこでサングラスを?と気になる金子さんのヤラレっぷりも
素晴らしい(笑)。奥ゆかしくもせつないルリコさんの告白も(涙)。
でもやっぱり、もし代われるんならノブオちゃんがいいなあ。
今でも子供にかえれて、となりに馬に乗った滝さんがきてくれたら、
一緒に連れていってとしがみつきたい気持ちは変わりません(笑)。
黒馬の王子様?でも置いていかれちゃうんだよなあ。
あとDVDの監督のインタビューでは、
かな〜り気になっていた熊の話(笑)が聞けて幸せでした。
まさか日活で飼ってたとは…。一生の宝物。大好きな作品です。
■
■ギターを持った渡り鳥■
05/29
どうしても一作となればコレです。もう、
もし無人島に流されるとき一本だけビデオを持ってっていい
と言われたら、「コレと『七人の侍』、二本にマケて下さいっ!」
って必死にお願いしたいほど(笑)この作品は大切な作品です。
これは今までに私が一番何度も観た作品でもあります。
映画、TV、ビデオ、DVDを足してですけれど。
前は上映されていると、あ、あそこで今やってるからまた行こう、
なんて感じで何かというと観に行った気がします。だからもう
傑作だとか好きだとかいうことを超えて、
なんかなくてはならない感じ。かつて観たそのときどきの自分が、
こう、走馬灯のように(笑)。なので魅力は語り尽くせませんが、
この滝伸次の、まだちょっとスーパーヒーローになりきらない
ところとか、青さと暗さのバランスが好きなのです。
すらっとぼけたところも、傷つきやすそうな感じも、
風船もショパンも、船の上もラストも、だめだ、
もう全シーン好き。あんまり好きすぎると、
かえってなんかよくわからなくなるみたいな。
好きな人の前にでると何も話せなくなっちゃう感じ?いや、
私はそーゆータイプの人間ではないのですが(笑)。まあ、
この作品は皆様もよくご存じだろうということで、
ご存じでない方はただちにご覧いただいて、そのあとで
お電話でもいただければ、もう、一晩でも二晩でも
熱ーく語りまくります、みたいな。そんな感じです(どんなだよ)。
とか言うと誰も観てくれないか(涙)。でも必見です。
記念すべき「渡り鳥」第一作目。是非観て下さい。
すでにDVDになってます。
■
■賭博師シリーズ■
05/28
好き好き氷室浩次(うっとり)。とかなんとか言いながら
賭博師シリーズは前の方のはほとんど観ていないので、
後期三本はモチロン、とにかく全部観せてね、日活さんっ!
と思います。アキラさんの賭博師なシーンは、
奇跡のスタンディングダイス?をはじめ、いろんな作品の中で
たびたび出てまいりますが、いいのです、どきどきです。
あの、そっけない感じだけどすべてお見通し、という感じが。
Myベストギャンブラー賞授与!
あの指がまた、太からず細からず、器用そうで、
うっとりでございます。ギャンブラーと手品師は
指がキレイじゃなきゃ興ざめです。騙されたくなくなります。
さらにワタクシ的には、良きギャンブラーたるもの、
熱きハートとクールな脳ミソ、大胆さと繊細さ、そして人の心を
読み取れるほどの観察力を兼ね備えていなくてはなりません!
とか思っているので、ふふ、
アキラさんのイメージにぴったりなのです(私ちがっているかしら?)。
どうやらシリーズ前半(さすらいキャラのとき)は、
もうやらねえ、二度とやらねえ、とか言いつつも、やらざるを得なくなる
私の大好物の展開らしいので、ほんとに楽しみです。
私はギャンブルにはまったく興味がないのですが、
なんか賭博師ものとか賭博のシーンとかに目がないのです。
自分でやるより断然楽しい。負ける心配もないし(笑)。
ケチはケチ、貧乏人は貧乏人らしく、
ふところ具合に合ったチープスリルを味わうのであります。トホホ。
■
■黒い賭博師■
05/25
ふふ、また観ちゃいました。
いきなりのタキシード姿。お似合いです。くらっときます。
細いえっちっぽいシガー、デカい石付きの指輪(しかも小指!)、
すべてビシリと板についておいでです。
すでにほんのりとフェロモンが(笑)。さらりと右手から
左手シフトに切り替えてカードをきるしぐさだけで、なんで?
なんかセクシーだわ。26才なのに。
いやあもうカンロクさえ感じられます。ですんで、
クロウトさん系の女性とベッドでイチャイチャしてやがって
いらしても、「きれいだから君を抱くんだ」なんちゃっても、
どーぞどーぞと安心してみていられます。
大人はそーゆーことしちゃっていいのです(笑)。
けれど男のみだしなみとして、キチンと少年ぽさは
身につけていらっしゃいます。これにもう、くすぐられるのです。
こちょこちょと。乙女ゴコロとやらが(笑)。今回ちょびっと
そういうキャラです。怪しいニセ香港人(?)にはコテンパン。
ドーランも演技も濃ゆい小池朝雄には左手をガッツンガッツン。
この傷付きっぷり。かわいそうっ。と、みせかけて、
途中からはバババン!と反撃。かっくいー。
野呂さんを弟分にアニキっぷりも健在。
ガバっとつかむ札束が似合うこと似合うこと
(なのにポケットにしまうと目立たない。なぜだ!)。
そしてキートン氏に美学をみました。
しかしこれは大好きな作品なだけに、臨死体験するほどの事故が
撮影中にあったと知ってショックでした。結局そのシーンは
吹き替えになったそうで、いま観る限りそんな苦労は
わからないわけですが、とくに「アクション大作!」みたいな
ものでなくても命をかけてしまう、アキラさんの映画に対する
姿勢には感服いたしました。
いやはや、黄色い穴にお入りにならなくてよかった
(自伝116頁参照)。
■
■完全な遊戯■
05/23
観ちゃったんですよお、昨日。
これはねえ、ミーハーの私にはものすごくツラーい一作でして…。
いやもう、素敵なの、めちゃめちゃ素敵なのです、アキラさんは。
だから、かえってツラい。
あのデートシーン(泣)。あのキスシーン(号泣)。
ひどい、ひどいワ、壮二さんっ。乙女の敵なのです。
電話なんかしても許さんっ!おまえが殺したんだあー!!
と責めてしまいそうで、できるだけ観ないように
気をつけているのですが。はあ…(嘆息)。
ところで、この役は壮二といいながら、ひとりっこらしい。
なんかアキラさんて次男っぽい感じの名前の役が多いような気が。
滝伸次、野村浩次、清水次郎、氷室浩次。次、ばっかり(笑)。
いやべつに次がついたって次男とは限りませんけれど。
アキラさん御本人は姉、弟ありの御長男というウワサ。
などと考えつつ気を紛らわせてみました。
なかなかスゴイ作品。けどやっぱり、ツラーい(涙)。
おススメはしませんが必見、てことで(笑)。
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■無頼無法の徒・さぶ■
05/22
無頼無法の徒?さぶが??
と不安に思いながら観たのですが、よかった。凄かった。
もう、雨の匂いが立ちのぼるファーストシーンから
ジーンときちゃいました、原作の冒頭が心に浮かんできて。
いやあ、アキラさん、凄い。
モノクロームの画面の中で瞳がきらっきらしています。
巧いとかで片付けちゃ申し訳ないくらい、
役の魂に深く触れている感じがしました。しっかし、あんなにも濃度と
集中力を必要とする演技に、そう何回もテストをやらされちゃあ、
いかなタフなアキラさんでもねえ…(ため息)。
仕事の腕がよく気性もまっすぐでモテモテ、でも人としては
まだちょっと青い栄二。そこらへんをわからせるまでが、とっても丁寧。
だから一転人生の坂を転がり落ちるのがガーン、ガーンと。
このへんの表情!
繰り返される失望と、虚無に至るまでの。
もう釘づけになっちゃいました。そしてやっぱり、あの
牢屋で告白しあうシーン。抑えられていて静かだけど力強い。
あのささやくような声。よかったあ。ちょっと衝撃的でした。
そして再出発のとき、また…。でも、そのとき、さぶが…。
重いラストもいい。正しく友情と成長の物語でした。
ちょっとスペクタクルなシーンもあったり、
一体誰が?とサスペンスタッチだったりして、
しんみりばかりはさせとかねえぜ!って感じなのですが、
なんでこう、真犯人は○○だったってことを、あらすじとして
書いた本が多いのでしょう?あれはナイショの方が絶対面白い
と思うんですけど。まあ、有名な原作のサガなのでしょうか。
それとルリコさん、控え目ながら素敵でした。
可愛くて哀しくてケナゲで怖かった。
さぶ役の長門さんも、なんか可愛かった。
やっぱり「さぶ」は極上の青春文学。
読んでから観るか観てから読むか?って、
またそんなトシのバレるネタを(笑)。
■
■俺は地獄の部隊長■
05/20
未見です。日活時代のアキラさん唯一の戦争もの。
自伝によると出演者の足が爆発でふっとんだとか…。マジっすか?
戦争ものの苦手な私としてはビビりつつの注目作です。
実は私、アキラさんの一部の作品に対して、
勝手にこっそり感じてることがありまして。それは、
ある時期にある種の夢を抱いて渡満した、
またはそうしなかったまでも、かの地に憧れた若人たちの、
胸を熱く焦がしたであろうロマンみたいなもの
――大陸に沈む真っ赤な夕日、広大な大地を馬にまたがって
駆けまわる義賊たちの冒険――そんな感じがですね、
ほのかに漂っている気がするのです…渡り鳥シリーズとかに。
ゆえに必然的に、夢やぶれる哀しさとか痛みとかも。
この、無国籍とはまた別の意味での大陸的なイメージって、
多分、歌からくる印象なのかなと思うのです。
「俺もゆくから君もゆけ」とか「流浪の唄」なんかは
わかりやすいですけれど、「北帰行」や「さすらい」にだって、
そのテの大陸的な雰囲気を感じます。で、私としてはなんとなく、
アキラさんの戦争ものってどんなんだろ?と思うわけです。
しかし、八路軍と戦うってのは日活的にどうなんすか?
で、負けると…。なるほど。微妙なり。
なんか「七人のならずもの」とか「通称がロビンフッドな少尉」とか
(まあ那須与一じゃピンときませんが)、やけに面白そうなだけに…
いや、楽しみです。
もう一作の戦争もの、東映作品の「ああ決戦航空隊」。
これも、めちゃめちゃ気になるんすよねえ。
この監督この脚本で大西が鶴田浩二。で、アキラさんは児玉なんて…。
どうなんですか?いや、いつか観たいです。
がんばります(何をだ?)
■
■日本暴力列島 京阪神殺しの軍団■
05/19
なんか、すごいタイトルですが(笑)。
もうこの際、そちらでもドドーンと全アキラさん作品DVD化を
お願いします、トウエイさま。ということで、
願いをこめて、この作品を。
これはもう、
どうしてもコレを観なけりゃ気がおさまらねえ!
という波が時折やってきます。好きです。かっくいいっす。
プロモビデオ状態(笑)。黒ずくめのしょっぱなから、
貫禄ある三つ揃いまで、ずらり男盛りの艶姿(笑)が全開です。
ちょっとカップクがおよろしい。結構です。動きにはキレがあります。
けどなんと申し上げましても見るべきは、この哀感です。
哀感のないヤクザ映画は産業廃棄物です(ま、私にとってはですが)。
無口でねえ、無表情、けど目で語る。
ときに烈火の如く激昂、不動明王サマのようです。いい。いいのです。
ちと女がねえ…。でもあのシーン(涙)のためには許さねば。
アンナパパもよろしい。イブキゴロウ、君は足を洗え。
よくわかりませんので内容ウンヌンはいいのです。
こういう話をですねえ、アキラさんで撮ろうという心意気。
ご苦労様でござんす、そう思いながら観ます。うっとりです。
ラストに歌います。覚悟して耳をすませてください。
まあ実録路線でですね、殺しの軍団とうたっている以上
殺しちゃダメですから、まあヤナガワかタニガワか微妙ですが、
このアキラさん扮する役の人を。
で、あのラスト。歌で締め。
素晴らしい。もう絶対買います。
頑張って三枚くらいは(笑)買います。だからDVDに…。
無理かなあ。流れ星にお願いしよ。
■
■太陽、海を染める時■
05/17
楽しかった楽しかった楽しかったー♪。いやあ、新鮮!
動きがシャキシャキしてます。いいなあ。このキャラはいい。
商船大学ビリッケツ卒業だって(笑)。
暗い過去、特殊技能(ギター、ダイス、銃など)、今回は一切なし!
ただの血の気の多い、すらっとぼけた、気っぷのいいアンちゃんです。
でも太陽みたい。
汚れても汚れても真っ白いTシャツ。ああ、マバユ過ぎます!
一服もられちゃった上に、寝坊?してあわてちゃったり、
走る貨物列車にえいやっとブラ下がったものの、
手をぐーりぐり踏まれて、無念…と水たまりに転がり落ちちゃったり。
今回ほんと、スーパーヒーローじゃない。でも、
もちろんヤルときはヤリます。つうか、やりすぎです(笑)。
あんたらケンカしすぎ!海賊じゃないんだから。
マジで入ってそうなパンチが痛そうだし、いつもなら留め役の
ルリコさんまでオラオラキャラだし
(私が見た中では最強。でも妙にハマってて新鮮)。
と〜にかく荒っぽい。でも仲間思いのアキラさんは、
みんなのためならと、あえて嫌われものになる男気も…ううっ(涙)。
そしてお祭りシーン、どーよ、あのイナセっぷり!
すっと指させば、おはやしも即スタート(笑)。かーっくいい!
主題歌もいいです。旧友と口笛で吹き交わしたり、
甲板で意気揚々と歌いあげたり。海の男のロマンが香ります。
ラストでは、出てゆく船を笑顔で見送る女たちにニヤリ。
いつ帰ってくるのかがわかってるアキラさん、これもまた新鮮です。
とにかく何もかも新鮮、愉快爽快、しかもジンときました。
なるほど、こりゃあ湘南あたりじゃダメね、
広島の海じゃなきゃ(ちと海軍風?)。
これぞアキラさんならではの「海洋ロマン」?。
もう、青空にすいこまれてくホームランボールみたいな気持ちよさ。
必見です!楽しかった〜。
■
■銀座旋風児 黒幕は誰だ■
05/13
大好きだ〜っ!二階堂卓也っっっ。一体何者なの?銀座旋風児。
わからん。けど、誰もがみんな知ってるらしい(笑)。
いいなあ、この常人離れした感じ。しかも歌によると、
生まれたときからこうだってんですからタマリマセン。
さっすが原作・脚本、川内康範先生。
まず街がいい。銀座が魔都なのです。
もう地下という地下が下水路でつながっているらしいし、
高級料亭の壁も、ぱったんぱったん回ってドコかへつながっています。
路面電車、ネオンサイン、ころんとした型の車。
あの頃の銀座は夢の街なのです。そして服がいい。
さぞやアクションには邪魔でしょうが、常に首にはネッカチーフ。
何故そこでキャメルのダッフル?ぜんぜん迫力ないぢゃん!
なんちゅうか、もう、闘うファッションショー状態(笑)。
嗚々、是非、長沢節先生のマイトガイ・スタイル画を拝見したい。
加えて、ルリコさん。中原淳一のスタイルブックから
抜けだしてきたみたい!パリジャンスタイル最高!!
ジョーさん、ピーコート似合ってねえ!しかも弱っちいし(笑)。
この、ほのぼのとしたアクションはどうよ?
カラテって、チョップだけぢゃん。
その変装はどうなの?見破りたまえよ、アキコくん。
いいなあ。素晴らしい。なにより、大時代な台詞がいい。
さっと銃をかまえ、「この銀座旋風児、
喜んで一撃お見舞いするよ」(だったかしらん?)。
手紙も「何々されたし」なんちゃって。お品がよろしくてよ〜。
ビバ!銀座旋風児=マイトガイ=二階堂卓也。
アキラさんのクールな得体の知れなさに酔わされっぱなしです。
この作品はシリーズの二作目で、三作目からは
「私立探偵」という定職(?)があって、銀座常駐になるの?
この甘やかな上品さと怪しさは残るのか?楽しみです。
突っ込みの数だけ楽しさもいっぱい。すべてがお洒落な夢。
もう、うっとり且わっくわくな作品です。
しかし、あのダイナマイト、爆発までに時間かかりすぎ!
■
■関東無宿■
05/06
これはもう、ほんとに何度観ても不思議な作品ですねえ。
正直私には、よくわかんないんですけれど。なんか怪しくて、
異界に迷いこみそうな感じで、見せもの小屋的なケレン味というのか、
ドギツめの色合いが美しくて胸がザワザワします。
アキラさんのあの眉!首よりはっきり濃い顔の色!ワケわからん。
だけどステキ。若きアキラさんは無気質なストイックさで、
とてもよくできてるお人形さんみたい。
DVDで見ると、ウチのTVは小さいから、さらにお人形っぽい。
キレイだわあ。うっとりだわあ。
着流し姿も微妙に馴染んでなくて、なおさら芝居じみてて、
かえって絵になる感じ。
「なんです?お嬢さん」だの「奥さん…(ガバッ!)」なんてもう、
足をジタバタさせたくなります。
あとは花札!大好きなんです。あのハリのある声で
カブだのオイチョだのと言われると、あああ、とメロドラマちっくに、
からだ半ひねりで床に手をついてしまいたくなります。
マダム辰子のあやしさはとても出せませんが(笑)。
スタイリッシュな映像美とか、おっしゃれ〜なカルト的?魅力とか、
正統派任侠映画…には、まあちょっと見えないけれど(笑)
いろんな価値がある凄い作品、なんでしょうねえ。
ミーハーとしては、ただもうキツネに化かされてるみたいに、
よくワケもわからず全場面、絵としてウットリ眺めたい作品です。
いやあ、ほんと、ワケわからん。
あと、裕次郎さんの冬、観てみたいなあ。
■
■大森林に向かって立つ■
04/26
昨日CSで観ました。
ぐわあ、これはぜひワイドスクリーンで観たーい!
フィトンチッドが匂い立つようなスケールの大きい作品です
(どんなんだ?)。
さすがは1961年作品、
正しく充実した面白さでございました。見所が満載です。
歌にダイスに、これでもかのアクションに、
ああ、あの娘の気持ちを知ってか知らずかのせつないお別れ、
そして男同士の・・・ううう、はらしょー、すんばらしい。
すべてお約束通りといえば、もちろん、その通ーり!なのですが
、約束を守ることはヒトとして大切です。絶対面白い、
そんなお約束をキチンと果たせる作品はそう多くはないのであります。
また、あの体がねー、ってまた体かよ?そうです、すみません。
しかし体は大事なのです。
だってあのアキラさんのナイスバディなくしては、
これは絶対成り立たないおはなしでしょう?
ケンカ強そー!材木運べそー!一目でそう解る体じゃなきゃ、
やっぱりダメなのです。もう
マジックベルトをしめた冒険少年みたいな体型なんですもの、
絶対ただもんじゃないっすよ、誰がどー見ても。
また腰の位置の高さが、ひえー、と驚愕のうるわしさ(?)でございます。
必見です。いや、腰がじゃなくて、作品が(笑)。
そしてまたルリコさん、これまた絶品の美しさでございます。
最初はちょっぴりすさみ気味の感じで、
でもちっともお下品ではなく、芯の強さがキリッと出ていて。
それから本来のお嬢さまらしさがふんわりと。
あの父親のお見舞いのシーン、ワンピース姿の清楚なこと!
ああ、この人は恋に落ちゃったのね、
なんてわかっちゃうんですなあ、キチンと。すごいです。
小芝居ぬきで、もう役柄として、自然に変わっていくという…。
もう演じ慣れてますワ、このテの女性は、ってな感じなのかなあ。
ほんと、ルリコさんあってこそアキラさんもいっそう輝ける、
そんな印象を強くもった作品でございました。
それとですね、今までに何度かこの作品の
「もやっとした中のモブシーンのロングショット」というのを
写真で目にすることがあったのです。そのだびに、
「なんだろ、これ。なんでアップとかでなく、この場面?」
とか思っていました。でもやっと、ナゾがとけました。これはもう、
一度観た人なら、胸にきゅうんとくるシーンなのですねえ。
うん、納得です。きゅうんと組に入れて?しあわせです。
ああ、きゅううん(笑)。
■
■青春の冒険■
04/22
1957年、アキラさん19才のときの初主演作品だそうです。
未見です。が、ある意味いま一番みたい作品です。
猛烈に初期作品ブームがおこってます、個人的に。
本によると、「カタブツの高校生(!)と、
女子高生や年上の女性との愛と性(!!)を描いた、
思春期青春もの(!!!)」だそうじゃありませんか。
なんですと?みせて下さい!(必死)。
なんせタイトルが、この愛らしさです。
もしも新人男優が「今度、お前の初主演映画をとるぞ。
タイトルだが<青春の冒険>と<狂った果実>どっちがいい?」
ときかれたら(お馬鹿なはなしですみません)、
いや、これはもう好みの問題ですが、どうなんでしょう?
私なら迷わず<青春の冒険>ですが・・・(笑)。
とまれアキラさんが、この「いかにもな設定?の青春映画」
(観てないから、わかんないですけども)から主演の歴史をはじめられた
ということは、まことに「人に歴史あり」という感じで、
しみじみと感じるところがあります。
いろいろな可能性を秘めていたからこそ、
混迷もあったかとおもわれる初期の作品群。
のちにその多様な可能性を十二分に活かして
実に魅力的なキャラをつぎつぎと生み出していくアキラさんの大活躍は
すでに知られています。というか私など、
そんなアキラさんの作品しか知らないです。
だからこそ、これだ、というものをみつけるまでの、
若きアキラさんの「青春の冒険」を楽しませていただきたいなあ
と思っています。
その時々の自分の姿を、スクリーンに焼き付け続けて進む人生。
かっこいいいなあ。
脚本が池田一朗なのも注目ですね、
なんて、まとも風?なこともいってはみますが、
「ふふ、かっわいんだろうなあ、アキラさんてば」
失礼ながらミーハーの注目はここに集中!なのです。
■
■赤道を駈ける男■
04/14
先日、浅草で観ました。
これはもう、ミーハーポイントかなーり高しです!
見せ場は、まったく盛沢山で、
ひらひらとコート姿で乗りうつったモーターボートが、
ドッカンしてしまうという、のっけから全開です。
ギターにカード、殺し屋との「どっちが速いか!」などなど、
次から次へと目が離せないシーンの連続。
殺し屋もダブルなら悪のボスもダブルだし、
もちろん美女もダブルの大サービス。
そのくせ「ん?」と謎が残ったりするのですが、
まぁコマけえことは気にすんなよ、という感じで
ドドドッと疾走するのでした。
なにしろ、素っ晴らしいのはアキラさまのお体でござりまする
(セクハラ発言か?)。
あの胸板の厚さ・・・。横を向かれると
全身がゆるやかなS字カーブをお描きになられて、
新薬師寺の十二神将かいな?
と目をこすりたくなるほどの完璧さでござりまする。
カラフルなTシャツ姿もしっくり似合っておいでです。
昔の恋人と再会するときの、明けそめた夏の空のような
ブルーのスーツの美しさ。
純白の航海士姿のりりしさとまばゆさ。
「ぬぬう、シリア・ポールめええ・・・(けど可愛いからゆるしちゃう)」
といった感じなのでございます。
しかし、あの、スーツの仕立ての良さ。すごいですね。
無駄なシワひとつないのに、くるりと回転したって少しも窮屈そうじゃない。
体形と動きのクセを知り尽くした手慣の職人のワザと見ましたね。
吊るしじゃ絶対に、ああはいきません。服は体に合わせるもので、
体を服に合わせちゃいけない。ただし体を甘やかしてちゃ絵にはなりません。
これ、68年の作品てことは、アキラさんは、30才位!?
嘘?私より若いの??今だとツヨシクサナギ位か???
大人だ。うーん・・・なるほど。リオのカルナバルの列に混じって
「アキラのリオでサンバ」とか唄っていただけるムードじゃ断じてなかった。
でもちょっと渡り鳥シリーズを思わせるシーンとかもあるし、
美しい景色も堪能できて、おなかいっぱ〜いな一本でした。
ああ眼福、眼福。
しかーし!このロケがハネムーンもかねていたとは。
ぬぬう。あな、うらやましや。
■
■幕末太陽伝■
04/09
とりあえず、観られるものから観ていこうという感じです。
これはビデオでしか観たことがないので、
画面は暗いし両端もないし、次こそDVDで観ようと思います。
できればスクリーンでちゃんと観たい。
今のところはこの作品が、
私が観た中では一番若いアキラさんの作品、ということになります。
もしかして十代?ひえー。
しかし、何度見ても新鮮な髪型だ。
なんか触角が出てるみたいに見えるよな。でもキリッとしてますね。
そんなに似合わなくもないのでは?
ファンファン大佐(岡田真澄さん。現在の1/4スケール?笑)
よりは無理がないような(笑)。
きっと床山さんの腕がいいのでしょう。
ワタクシごときはだまされて?しまう。
久坂玄瑞という人は確か、二十代前半のうちに自刃してしまうはず。
だから、若いアキラさんが演じたのでしょうか?
なんとか拳?(あっちむいてホイのようなもの?)
を真剣にやっているところと、ヒョウヘンするところが、
ちゃんとおかしい。
役の生真面目さがキチンと出てるからですね。
しかしこの作品は、あまりにフランキーさんが上手すぎるし、
女性お二人が見事過ぎるからなあ。
でも、この裕次郎さんはステキだ。
すっと構えたはずの剣先が、よろよろしててもかまわないわ。
もう、あの笑顔さえ見られればいいの。
そんな感じでしょうか(笑)。輝いておいでです。
高杉晋作が、仲間とはクニの言葉でしゃべって、
店の人とかとは標準語?でしゃべりますが、
そういうもんなんですかねえ。
とにかく「ぜよ」を付けりゃ龍馬だ、
なんてのとは、ちょっと格がちがう感じはしますが。
前に「錦之助さんという方は、
同じ渡世人のしゃべり方でも、江戸前と千葉の出身など、
役の設定によって口調を使い分けた」と聞いたことがあります。
もう専門用語?や昔の言葉なんか、
私なんぞにゃ、さっぱりわからない。
でも、「わかってる人が作っているんだ」という、
作品の力を感じることはできます。
よく祖父が、若い職人さん相手に言ってましたっけ。
「わかる奴が見りゃあ、ちゃんとわかるんだよ。
見てもわかんねえような奴相手の仕事ばっかりしてたら、
一生腕はあがんねえぞ」って。
もう「わかる」「わからない」ということすらも、
わからなくなっている私ですが、せめて、
こういう作品でも見て勉強しなきゃなあ、と反省しました。
けどミーハーポイントは、ちと低し。
伝、という字の旧いのは出なかったです。
■
■錆びたナイフ■
04/06
おととい観ました。たまに無性に観たくなる作品です。
アキラさんファンとしましては、ちょっと言いづらいのですが、
かなり好きなのです。
登場するや、もう視線はクギづけ。
あの、ひょいっとナッツ(客の?)かなんか口にほうりこんで、
しばらくモグモグしてたりするとこから、きゃあ〜、という感じです。
そして、ひらりと...。
オドオドしてたかと思うと、がらりとフテブテしかったり。
もう全編きらきらと輝いて見えます。
とくに買い物シーンの「ね?」と、「あるんだいっ!」の、だいっ!
これが、たまりません。
もし、スクーターのうしろに乗せてもらうとしたら、
「断然、ペックよりアキラさん!」なのであります。
そして兄貴の腕に抱かれ...ああ、いや、この先はネタバレ注意報。
いいシーンなのでナイショにしておこっと。
役としては確かに、カッコイイ役ではないです。
やっぱりアキラさんは主役じゃなきゃあねえ。とは思うのですが、
どーやら、このテの情けないっぽい?役にも私は弱い。
もともとホットな主役よりクールな脇役の方が好きなのです。
でもアキラさんは、主役でもクールだからいいのです。
いや、もうナンだっていいのです。笑。
しかしDVDっていいですね。巻き戻しとか早送り?とかがラクで。
快適です。ビデオよりずうっと。
ちゃんとジョーさんとか、裕次郎さんのシーンとかも
観ようとは思うのですが、どーもイケネエや。
よし、今日はちゃんと観るぞ。
この作品はレンタルビデオ屋さんに置いてある率が高いので、
初期のアキラさんを観てみたいけどみつからない、
という方にもおすすめです。
若干、不本意ではありますが。
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